「立夏、ゴキゲンだね」
「そう?」
二人きりの時間、抱き締めると立夏は擦り寄ってしっぽを振る。
(だっていつもはヤダとか放せって必ず言うし)
せっかく立夏の機嫌がいいので、思うだけにしておく。
「ねぇ、しようか?」
ミミを甘く噛んで言うと立夏はさっと離れる。
「ヤダ」
パタパタとしっぽで床を叩きながら立夏は拒否する。
やっぱりね、と思いながら草灯は言う。
すんなりOKするわけがない。
「機嫌がいい立夏はかわいいね。ダメ?」
「イチャイチャする方がいい」
そんなことを言って立夏はしっぽを振る。
立夏の言い様がかわいくて、草灯はくすっと笑う。
「そう。じゃあイチャイチャしようか」
立夏の腕を引いて抱き寄せ、おでこやこめかみにキスする。
「イチャイチャしたいなんて、珍しいね?」
「んー…なんかよくわかんないけど。くっついてたい」
(発情してんのかな)
立夏がイチャつかせてくれることも珍しいので、これはこれでいいかと草灯は思う。
しかし、チャンスを伺うことも忘れない。

──が、うかつに手を出して引っ掛かかれた上に機嫌を損ねたのは言うまでもない。

春は恋の季節というが、下手を踏むと怖い。

「ごめんな?痛い?」
しゅん…とミミを寝かせて立夏は自分が叩いた頬を撫でる。
「大丈夫だよ」
それでも立夏の甘えたがりは止まらず、どうしたものかと悩む草灯だった。

〜END〜

春ですので…(笑)
わたしの脳内にいる草灯と立夏の最近の状況です☆
立夏たん、イチャイチャするのが好きみたいです…
web拍手3月のお礼その1でした〜
2006.3.30 UP

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